
久保智
植木鉢。机の上で土遊びができるような小さいスケールでつくりたかった。パズルにしてあわせていって、それらがちいさな庭になっていく。いろんな場所の土をとってきて入れると、自分が行った場所の庭が机の上にできていく。
これはすごくおもしろい。パッチワーク状の畑みたいなものができるとグラフィック的にもいい。(平本)
非常に魅力的。それぞれの土地から持ってきたそれぞれの雑草が生えてくる庭というのもおもしろい。芽が出てくる瞬間というものをぎゅっと集約してデザインにしたかんじ。(加茂)
彼の風貌としぐさとこの作品が絶妙なコンビネーション。でもこのスケール感がとてもおもしろい。箱庭ともまた違う。売り出したらけっこう売れると思う。映画「誰も知らない」のラストシーンで子供たちがペットボトルに雑草を植えているのを思い出す。これは陶器でつくったほうがいい。(古谷)

神太麻朝香
コンセントとコンセントプラグをつくった。へこみにいれてからコンセントの部分をスライドさせて入れる。力を入れなくても抜けるようになる。
2段階というのはおもしろい。コンセントの部分にほこりがたまって火災が起こったりする可能性が低くなる。(平本)
2重の部分の曲面がうまくいきそう。(加茂)
コンセントのさし方がぐいっといれるんじゃなくてさくっといれられる。安全につながるリアルなアイディア。(古谷)

高増拓実
音に触ることができないかと考えて、音に触るスピーカーをつくった。スピーカーの球体に触ると音楽の振動を感じる。
音に注目したところがおもしろい。音が聞こえないのに振動しているというのもおもしろい。デジカメで写真を撮るスタイルが変わったみたいに、音楽を聴くというスタイルが変わったみたいなものができている。(平本)
持っているだけで幸せなかんじがするプロダクト。(加茂)
ちょうど手のひらのサイズに直径があっているところがこの作品のクオリティを高めている。スケールがすごく重要で、そこは成功している。メカニズムはそれほど新しくないけどおもしろい。(古谷)

真鍋怜子
スチノリの容器は、さかさまにしてある程度時間をおかないと使えない。スチノリをメーター売りにして、使いたい長さだけ買うということを考えた。チューブ状のスチノリを切って、自分の好きな穴の大きさのキャップをはめてつかう。かたつむりっぽいデザインにした。
チューブ状というのはいい。固くなって切ってしまうというのはいいけどキャップを交換するというところはちょっとうざったい。(平本)
チューブで止めながら切っていくというのは今のスチノリよりもいいものになりそう。(古谷)

永沢ゆき
触覚によるルービックキューブ。人はモノを見るとき色彩を使うけれど、触ることで識別するようなルービックキューブをつくった。触覚や、重さ、温度差などを識別してあわせていく。
6種類の触覚をつくるというのは大変。よくみるとこだわっていておもしろい。カラフルなルービックキューブがシックなかんじになっている。(平本)
ルービックキューブの上に厚みができてしまったのが残念。完全にフラットで質感だけが違った方がよかった。(古谷)

杉本和歳
パソコンの裏にあるコードが煩雑だったのを使って、それを隠し、さらに機能的でデザイン性のあるものにできないかと思ってコードのペン立てをつくった。
コードのところにおくと本当にコードが絡まっているみたいでおもしろい。実際にケーブルでつくられているとコードがのばせなくなってしまう。コードに似せたものでつくっているのはよかったと思う。(平本)
雑多でカオス的なものをポジティブに変換させる、キレのいい感じ。うまくいろいろな方向からペンがさせるようになっている。(加茂)
単に片付けるんじゃなくてオブジェ化したところがおもしろい。コードなのにぐじゃぐじゃっとするとそのままのかたちになってペン立てになるようなコードの提案でもよかった。(古谷)
自分の感覚でぐじゃっとできるようなコードだとおもしろい。(萩原)

シン ス ヨン
携帯をいれるもの。オサイフケータイができてもまだどこでも使えるわけではないから、いつも持ち歩くものをいれるケースをつくった。携帯と、イヤホン、小銭がはいる。携帯を取り外せば洗濯ができる。
商品にできそう。携帯はなんでもできるけど持ち歩けないものもあるというアンチテーゼになっている。(平本)
オサイフケータイというものがあるのにあえて中にお金が入るという生々しさがおもしろい。洗濯といっていたのは選択かと思ったけどそれもおもしろい。愛着のわく自分のきんちゃくみたいなかわいらしさがある。(加茂)
概念としてのおもしろさというよりも触ってみてよいと感じる。オサイフケータイが使えないところもあるということを受けとめているところがおもしろい。(古谷)

山田宮土理
お箸。外国人がお箸を最初に使うとき、持ち方がすごくむずかしい。くぼみをつけて持ち方を矯正する。お箸で日本食を楽しんでもらいたいと思ってつくった。
モノがすごくきれい。デザインとしての完成度はすごく高い。(平本)
つかむときはお箸の先は平たい方がいいけど実際に食べるときは先は普通な方がよかったかもしれない。きれいなことと握りやすさが同時に考えられていてよい。(加茂)
これは100本くらいつくって100人くらいのモニターに使ってもらったりしたらいいかもしれない。この微妙なくぼみがそうやってできあがっていたら本当に売り込めるものになる。(古谷)

間島梓
新しい軍手を考えた。ゴム手袋は手にはめないと意味がないけど、軍手は重いものを運んだり触れたくないものに対して使うだけなので手のかたちのシールにした。いろんな模様と色を、作業によって選べる楽しい軍手をつくった。
軍手は最終的には手にはりつけばいいという落としどころがおもしろい。実際にはもっと手にはりつくようなそざいでつくる。(平本)
手のひらのところに色をつけるというのは斬新。機能性よりもファッションとしてやってもおもしろい。(加茂)
軍手の機能は手の内側だけでいいといったのが不思議でおもしろい。不思議な発想だった。(古谷)

渡邉祥代
触覚によるオセロ。オセロは普通白黒で、色で判断する。色を消して素材の温度差や手触りでゲームを楽しむことを考えた。健常者だけではなく視覚障害者も楽しむことができる。
完成度が高い。折り畳めるのもいい。アルミの色がいろいろあるのは健常者に対するハンディキャップにもなる。ランダムな楽しさがある。(平本)
同じようなことをやっているけれど、永沢さんのルービックキューブの作品よりも完成度が高い。質感を重視するために色をたくさん使ったところもいい。グリッドの中にマルがきれいにはまるようになっていて気持ちがいい。(加茂)
小さな穴があいているだけで表面と裏面の違いが誰が触ってもわかるようになっている。このいろんな色が健常者を錯覚させる。唯一残念なのは、閉めたときにカチッとしまるようなフックがついていなかったことだ。(古谷)

原田啓太
腕時計。文字盤が逆さになって読みにくいのでおもりをつけて文字盤が常に上にくるようにした。腕からはずして置いたときは置き時計としてインテリアになる。チューブが光って照明にもなる。
はめてみたら良さがわかる。携帯が腕時計になって、置いたら充電しながら置き時計にもなるというストーリーでもよかった。(加茂)
おもりのおもり感がもうちょっとほしかった。ちょっと軽いのが残念。置いて時計になるのはおもしろい。加茂さんが言ったように本当にこれに携帯が入ったらすごく完璧になる。(古谷)