「スーパー××××」
出題:古谷誠章
○○○○小森 陽子+真鍋 怜子
スーパー・スーパー
スーパーをぐるぐるまわって買い物を済ませるまでの道のりが314m。それを一直線にのばして、新宿から大久保への帰り道に、買い忘れなく買い物をしながら帰れるスーパーをつくった。もともとある食品店を縫うようにしてつくり、通りからは普通のスーパーに見えるが実はものすごく奥行きのあるスーパーになっている。
住宅街の隙間を使っているのがいい。克明にあるいてみてその結果314mでした、というのはすばらしく説得力がある。(古谷)
昔商店街がにぎわっていたのにスーパーに食われてしまったというのがまた再び街に広がっていくような感じ。そこがすごくおもしろいと思う。(平本)
スーパーは折り畳まれた状態。それが広がるという発想はすごくおもしろくて発展性がある。こうやって広がったときはジャンルごとに順番になっているのじゃなくて、適当に混ざり合ったほうがいい。会計の問題も、Suicaみたいなもので路地をでるときにまとめて清算するようにしたら、すごく実現できそう。(古谷)

○○○朴 政勇+雀 美慶
SKY CITY
オフィスのサポートプログラムとして、ビル群の間にビルの穴のあいた層を差し込み、緑化する。自然が建築になって建築が自然になるランドスケープともなる。
穴の空いたところは環境が良さそうだけど、その下の道のところは真っ暗になってしまう。この計画は300mある意味が何となくわかる。この層の中に立ってみたパースペクティブがほしかった。(古谷)
通りに面する建物は高層だけど区画の内側は低くなる。それを利用して層をかけるのは内側だけにしてもよかったのではないか。(平本)

○○○竹内 瞳+田中 希枝+梨本 亜希
明るくてせわしない歌舞伎町の街。そのビルの隙間に休める場所をつくった。300mの直径の球体からおとしこんだかたちの屋根でとぎれとぎれにつながるプラネタリウム。
300mの意味合いが希薄。曲率を落とし込んでしまったことでもうそれらの連続感は得られなくなってしまう。ビルの上空から見下ろす視点とかを盛り込むと良かった。(古谷)

○○○荒木 聡+星野 祐美+山崎 博司
新しいタワーが建つことによって、現在の東京タワーの333mの意味が無くなってしまう。そこに新しい300mの意味をもたせることを考えた。畑という機能をプラスしたタワーにすることで、自給自足し、そこで収穫したさつまいもはスイートポテトや焼き芋として屋台で販売される。
データスケープ的な話を初めて出してきたのにそのシートがないのが残念。単純にヘチマとかつるのあるものにしたら東京タワーをそのまま使うことができた。トマトとかそういうものの栽培に使うと、上に行くほど気温が下がるという300mタワーの特性をつかって、収穫時期をずらすことができるというメリットがあった。(古谷)
模型のパフォーマンスとして、痕跡がなくなってかたちの意味もなくなった外皮をはがした状態のほうがおもしろい。(萩原)

○○○小野 麻美+神太麻 朝香+原田 啓太
汐留のビル群などのヒートアイランド現象の問題を考えた。それらのビルに対して、ボリュームをジェンガのように引き抜いていってのせていく。たてよこは同じサイズで容積も変えずに高さが2倍になって300mになる。表面積が増えるので、壁面緑化が効率的にできる。
ソリッドボリュームのポーラス化。わりあい誠実なアプローチで的は得ていると思う。環境的にもデザイン的にもいけるけど、それ以上のことを言ってしまうと構造とかコストとかの問題がでてくる。(古谷)
すごくあざやか。課題にたいしてうまく解答をだしている案。(萩原)

○○△中西 智也+永沢 ゆき
身体スケールとランドスケープをつなげるということを考えた。詩的なテーブルとイス2脚を湖の上に漂わせる。水面にイスをおいて座っているような感覚。テーブルとイスの角度を操作して、イスのうち一脚はその街のランドマークの方を向いている。
水の上にたたずむイスのおもしろさはわかるけど300mの意味にはならない。電信柱だって1/6だけうまっていてそれでもっている。150mも打ち込むのはそもそも大変。それぞれの湖の水深の違いで残りの寸法がちがってくるとか、そうゆうのを持ってきてもよかった。(古谷)
300mの使い方に水深というのは他の人にはなくていい考えだった。4つの湖を選んだのだからそれらの関連を考えるべきだった。街のランドマークのほうを向くのではなくてそれぞれが対応するとか。(萩原)

○○△矢尻 貴久+山口 大地
ハレとケの境目がなくなってきている現代の問題を考えた。アルタ前から伊勢丹前の歩行者天国が300m。最近は警察がパフォーマンスを取り締まるなどの動きが見られる。そこにスーパー中央分離帯をつくった。ケの場面ではパネルとしてたっているものをハレの場面では折り曲げて、必要最低限の操作で歩行者天国に必要なものをつくる装置。
ソースとしてはわりあいおもしろい。300mくらいないとおもしろさがでてこないというのも分かる。よくわかるアイディアなんだけど逆にわかりすぎてしまって、もっとふくらみがほしかった。(古谷)

○○△伊藤 華絵+木村 奈央+山畑 毅
新東京タワーができることによってなくなってしまうかもしれない現在の東京タワーの痕跡を残す。東京タワーの300mの高さを、外苑通りの平面300mでタワーをに上げる角度の痕跡をつくる。歩いてタワーに向かうときのダイナミックに姿が変化するという魅力を、見上げの角度が45度から90度になるまでの過程をタワーの鉄骨で再現する。
痕跡がタワーの鉄骨のモニュメントだけで終わってしまっているのが寂しい。もっと直接的に、外苑通りにタワーの影を直接刻印するくらいしてもよかった。(古谷)
アイディアはすばらしいと思う。この鉄骨がもっとファンクションを持ってたらすごくよかった。(萩原)